ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
「別の夢ができたんです。まずは無事に出産する。今はそれが唯一の目標なの」
「そうか」
うなずく彼は喜びを隠しきれなていない。
顎を掴むように口もとを隠すけれど、頬が上がっている。きっと、辞めてほしいとは言いづらかったんだろう。
「すぐにとはいかないから、引き継ぎが終わるまでは、少しずつ出勤を減らしながらでも働かないといけないけど」
「ああ、そうだよな。でも無理だけはしないでくれよ?」
「うん。絶対に無理はしない。心配しないで」
それから彼は、私が出産する病院を見つけてくれた。
双子なので、どこでも受け入れてくれるわけじゃない。どうしようかと一番の悩みの種だったが、彼が見つけてくれた病院ならば、なんの心配ない。
それから入籍について話し合った。
私はご両親に了解を得てからにしたいと言ったけれど、彼は関係ないと言う。
「俺たちはもういい大人なんだ。それに君は婚約者だとすでに紹介しているだろう? それで十分だよ」
結局は私が折れて、婚姻届を書いた。