ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 それでも八代さんは、ここ最近同じ女性と来ている。

 かわいらしい感じの彼女とはどういう関係なのかはわからないけれど、八代さんはとても大切に思っているようだった。

 婚姻届を見つめながら、自分に問いかけた。

 本当に入籍してしまっていいのかな?

 いいんだよね? 

 ずっと彼と一緒にいたいもの。

 お腹に手をあてると、気持ちが落ち着いてくる。

 今は流れに身を任せよう。



 それから数日後、朝井家のハウスキーパーさんが、パールのピアスを取りに来た。

 忙しいのか、ピアスだけを受け取り家には入らないで帰るという。

 そのままドアの外で待つ女性に部屋から持ってきたピアスを差し出した。

「こちらですがどうでしょう」

 金色の鎖の下で揺れる真珠のピアス。

「間違いありません。私のものです。よりによってベッドに落とすなんて。本当に申し訳ありませんでした。いらぬ誤解を抱かせてしまって」

 彼女も持ってきたピアスを私に見せてくれた。

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