ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
「はい、どうぞ」

 美江ちゃんは必ず私のお腹をなでて、話しかける。

「いい子になあれ。生まれたらすぐに会いに行くからねー」

「あっ」

「今動いたよね? 返事してくれた!」

「うんうん。毎日美江ちゃんの声を聞いているからね」

「いよいよ明日か。寂しくなるなぁ」

 明後日からは有給休暇の消化になる。後々手続きに来る日はあるが、働くのは明日で最後だ。

「まめに来るからね。これからはお客様としてコルヌイエを楽しむんだ」

「うん。そうして。たまにはバーで飲もうね。私はまだまだここにいるから」

 いずれ子どもたちを連れて泊まりにも来たい。



「それで、決まったの? 朝井様のご実家に行く日」

「来週、慎一郎さんがお休みのときに行く予定」

「そっかー。頑張れ桜子!」

「うん。大丈夫、なにを言われても負けないよ」

 仕事が終ったら、次はご両親。

 実はまだ慎一郎さんの両親に、入籍の挨拶には行っていない。

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