ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 とっさに謝った。

「謝らなくていいんだよ」

 慎一郎さんが私にぴったりと寄り添う。

「双子なんだ」

「えっ、あ、あなたっ! あなた大変よ」

 バタバタとお母様はリビングへ走った。

「まったく」

 やれやれと慎一郎さんがため息をついた。

「さあ、とりあえず上がって」

「はい」

 さっきのお母様の驚きは、どういう驚きなんだろう。お顔は怒っているようには見えなかったけれど。

 靴を脱ぎ揃えようとする間もなく松子さんが揃えてくれた。

「すみません」

「いいんですよ。お気になさらずに私の仕事ですから。お腹が苦しいでしょうからご無理なさらないでください」

 温かい微笑みに、心が温かくなる。

「ありがとうございます」

 ふと、後ろから「男の子か?女の子か?」とお父様の声がした。

「ふたりとも男だよ」

「まあ、すごいわすごいわ。いきなりふたりの孫ができるのね!」

 お母様は満面の笑みで私を労わるように背中に手を回す。

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