ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました


 月日が経つのは早いようで遅い。

 最近は目が覚めたら出産が終わっていたらいいのにな、なんて思いながら寝たりする。

 いつのまにかもう十一月。私は病院にいる。

 窓の外は寒いだろうな。病室にいると全然わからない。

 時計を見るともうすぐ午後の三時。着替えを取りにいったん家に帰った慎一郎さんがそろそろ戻ってくる頃だ。

 扉がノックされて入ってきたのは、予想通り彼だった。

「外は寒い?」

「ああ、今日は冷えるな」

 彼はコートを脱いでハンガーにかけてしまう。

 持ってきた着替えやらをクローゼットにしまい、持ってきた缶コーヒーを片手にベッドサイドの椅子に腰を下ろした。

「ごめんね」

「なんで謝るんだ。君はなにも悪くないんだぞ?」

 九月上旬、私は予定より半月ほど早く切迫早産で入院した。十分気をつけていたつもりなのに、このところ血圧も少し高く、体調はあまりよいとはいえない状況だ。

 慎一郎さんはこまめに病院に来てくれる。

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