ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 ***


 今日もまた屋上でひと息つく。

 ここ数日天気がいいから助かる。この時間があるとないとじゃ、モチベーションが違ってくる。

 医局はどうも落ち着かない。新人の女がやたらと話しかけてきて面倒だ。

『アメリカはどうでしたか? やっぱり違います?』

 気になるなら自分で行けよ、まったく。

「はぁ」

 紙コップに残ったコーヒーを口にしてため息をつく。



 それにしても、早く家を探さないとな。

 ホテルの部屋に随時荷物がたまってきた。着替えもだが、医学書だけでも結構な量だ。

 なんとかしないとさすがにまずい。

 夕月さんに頼もうと思ったが、ホテル内を忙しそうに走り回っている彼女を見かけて声をかけるのを躊躇した。

 かといってほかのスタッフに頼む気持ちにもなれず、あきらめてネットを見てみたが、いまいちピンとこない。

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