ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 とりあえず複雑な折れ方ではないから問題ないだろう。担当医は若いが丁寧に患者を診るやつだから、これも問題なし。

 さてと。

 次は彼女が入院している病室を確認した。

 四人部屋の廊下側か……。

 

 さて、誰に頼もうか。口が硬くて信用できる人物と考えながら廊下を進むとちょうどいい人物を見つけた。

「ちょっといいかな」

「はい。なんでしょう朝井先生」

 師長ならば適任だろう。

「三〇五号室の夕月さんを。個室に移動してほしいんだ」



***



 まさかお医者様だったとは。しかも心臓外科医。

 イケメンで資産家で、さらに素晴らしい肩書きまであるなんて、もうスペック高すぎですよ朝井様。

 でも、そうか。なるほどねと納得できる。

 定時で動く一般的なサラリーマンではないのはわかっていた。時間は不規則で、朝戻ってくるときもあれば、唐突に急ぎ足で出かけたりする。

 久しぶりに帰ったと思えば、寝ていないのかと思えるくらい青白い顔をして、疲れて見えるときもあった。

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