ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
「どうぞ、こちらです」

「え?」

 でも、ここって。

 個室だ。しかもただの個室じゃない。部屋は広くて、ふかふかのソファーもあるしベッドは大きい。

 ホテルでいうところのスイートルームではないか。

「あの。なにかの間違いじゃ。こんな豪華な個室に、私は」

「そう言われても。間違いなく夕月様はこちらにと聞いていますから」

 看護師は困ったように眉をひそめる。

「あ、そうそう。あと、こちらお預かりしています。どうぞ」

「あ、はい。ありがとうございます」

 渡された封筒には表書きに夕月さんとあるが、誰からかの記載はない。

「では」

「あ……」

 逃げるように看護師さんは部屋を出て行った。

 仕方がないので早速封筒を開けてみた。中にはシンプルな紙が一枚。

【チップだと思って受け取ってください。
 この件はどうぞ内密に 朝井】

「えっ」

 朝井様が?

 

 どうしよう。

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