ドSな天才外科医の最愛で身ごもって娶られました
 最初に頭をさげ、下を向いた視線の先に見えた足もとにギョッとする。

 スリッパを履いた朝井様の素足が見える。

 白いバスローブの裾も。

 ドキドキしながら顔を上げると、今まさにシャワーを浴びたばかりというバスローブ姿の朝井様が、タオルで頭を拭きながら現れた。

 胸元がちょっとはだけているではないか。

 軽く割れた腹筋が目に飛び込んできて気が動転しそうになり、慌てて目を閉じ頭を下げた。

「申し訳ございません! お取込み中。出直します」

 客室に入るわけではないが、バスローブ姿の男性客と話をするのは抵抗がある。朝井様だって困るだろう。

 立ち去ろうとして向きを変えると「いや」と声をかけられた。

「出直すまでもない。たいした用じゃない」

 えっ、そうですか。平気なんですね……。

 向き直って顔を上げ、微笑みを浮かべながら聞いた。

「はい。では、なにかありましたでしょうか?」

 水も滴るいい男さながらに、濡れ髪の朝井様は「服を買おうと思ってね」と言う。

「お洋服?」
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