君はブルー【完】



***



「今週も、お疲れさまでしたー」

「お疲れー」



こんっと音を立てて、缶ビールで乾杯する。


相も変わらず水曜日いつものホテル、時刻は22時10分を回ったところです。


家守さんは気持ちのいい飲みっぷりで、ごくごくと喉を鳴らしてぷはーっと満面に笑みを浮かべる。


可愛い。ビールのCMきちゃうよ。この笑顔。


こうしてたまに、家守さんが気分で買ってくるお酒を一緒に飲んだりもする。ベッドの上に二人で座って、広げたポテチをつまみながら。


家守さんはベッドの上でごろごろお菓子を食べるのが好きだけど、奥さんに怒られるからここでしかできないなんて言って毎度子供みたいにはしゃいでる。


そんな顔を見るのが好き。



「やっぱ、ハルハルといる時間が一番安心すんなー」

「えー」

「好きだよハルハルー」



ふにゃりと笑った家守さんは、例のごとく私の頭を撫でるけど、いつもより気持ち雑で前髪をぐちゃぐちゃにされた。


家守さんはお酒好きだけど、すごく弱い。


今日もすぐに顔を真っ赤にして、ずっとへらへらしている。



「奥さんいる人が言っていいセリフかなーそれ」

「いーんだよ、本当に思ってるんだから」

「じゃあ早く奥さんと別れてね」



よしよしといつもと逆に家守さんのサラサラの黒髪を撫でながら、耳元で囁いて洗脳する。


奥さんと別れてね。


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