君はブルー【完】



***



行為が終わって、家守さんはぼんやりと私の方を見つめて、頭を撫でたりほっぺにキスしたりする。


……今日の家守さんてなんか変。



「……何かありました? 家守さん」

「うん? なんで?」



すっかり酔いはさめたようで、もうへらへらした感じはしない。



「なんでって、こっちがなんでだけどね」

「えー」

「家守さんなんか今日上の空」

「そう? ハルハルがかわいすぎて見惚れてたかな」

「……うざ」

「こらこら」



もーと口を尖らす年上のヒト。


どうせ奥さんとなんかあったんだろうなと予想する。


少しだけ嫉妬のような気持ちもあるけど、まあ、そこは二番目の女として心得ているので、文句を言う気も権利もないだろう。


まあ、特に聞きたくもないし。



「ハルハルさん」

「はい」

「来週の誕生日楽しみにしてて」

「当日?」

「……それは無理でしょ」



呆れたように、諭すように言う家守さん。


当日は、水曜日じゃない。


今日も家守さんの奥さんは、家守さんが私と不倫している間、夜通し働いている。


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