君はブルー【完】
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行為が終わって、家守さんはぼんやりと私の方を見つめて、頭を撫でたりほっぺにキスしたりする。
……今日の家守さんてなんか変。
「……何かありました? 家守さん」
「うん? なんで?」
すっかり酔いはさめたようで、もうへらへらした感じはしない。
「なんでって、こっちがなんでだけどね」
「えー」
「家守さんなんか今日上の空」
「そう? ハルハルがかわいすぎて見惚れてたかな」
「……うざ」
「こらこら」
もーと口を尖らす年上のヒト。
どうせ奥さんとなんかあったんだろうなと予想する。
少しだけ嫉妬のような気持ちもあるけど、まあ、そこは二番目の女として心得ているので、文句を言う気も権利もないだろう。
まあ、特に聞きたくもないし。
「ハルハルさん」
「はい」
「来週の誕生日楽しみにしてて」
「当日?」
「……それは無理でしょ」
呆れたように、諭すように言う家守さん。
当日は、水曜日じゃない。
今日も家守さんの奥さんは、家守さんが私と不倫している間、夜通し働いている。