nurse team

岬 吏兎






規則正しい心電図の音で目が覚める




っ、



隼斗は!?


色々繋がってる管を無造作に外して


廊下を歩く


心電図のアラーム音が鳴ってるのが分かる


点滴は抜いて止める


心電図は電源を切る

酸素マスクも外した


ちゃんとそこまでやったからいいよね、

許して




多分ここは循環器病棟だから呼吸器病棟まで歩く







ここか、



あ、でも病室わかんないや


ナースステーションに行く



「橘 隼斗の病室どこですか」



看護師は驚いてる

スクラブ着て腕から血が流れた人が突然現れたから


無造作に点滴を抜いて止血してない腕は血だらけだ



看護師「お名前伺ってもいいですか?」



「岬です」


ほかの看護師がガーゼとかを持ってきた



看護師「腕止血しますね」



「すみません、」



看護師「橘さん今面会拒否になっていて、」





「同じ小児科の看護師です、」


看護師「...分かりました、主治医の先生に確認してみます」




すぐに先生が走ってきた


丈「えっと、君は」


「小児科看護師岬です。隼斗は、大丈夫なんですか」


丈「ついてきて」




看護師「あっ、まだ処置...」


「圧迫止血だけしときます、ありがとうございます」


ガーゼを貰って圧迫止血する



丈「...君は、どうしたの?」


「僕は大丈夫です。」


丈「スクラブのボタン外れてるし軽度のチアノーゼがでてる、それに点滴を外した痕」


「...」


さすが医者


今まで必死で気づかなかったけど呼吸苦しいしボタンも外れてたんだ


丈「君も入院中?」


「...隼斗見たらすぐ帰るので」


丈「どこの病棟かな?」


「後で言います」




丈「...ここだよ」


挿管されて寝ている姿の隼斗



「...僕が、もっと早く誰か呼んでたら、」




涙が止まらない


息も苦しい

でも


そんなこと気にならないくらい、




悔しい。




看護師なのに、


何も出来なかった



「何日、っ、経ちましたか」


丈「...3日。きみが、医者を呼んでくれたの?」


「...はい、でも、」


丈「...ありがとう。君が先に居たんだよね、」


「はい、」


丈「なんで、あそこにいたの?」



「...迷惑、ばっかり、かけ、てッ」


丈「...そっか、......ごめん、これ以上は君が持たない。戻ろう」



首を振る


僕のせいで、隼斗がこうなったのに、


僕は、


何も出来なかった


丈「また来ていいから。送っていくよ」





そろそろ体が限界で


視界がぼやけてきた





< 52 / 54 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop