9度目の人生、聖女を辞めようと思うので敵国皇帝に抱かれます
自分が勝る余地などないのかもしれない。
押し黙るデズモンドを見て、セシリアが戸惑うように視線を泳がせる。
重い沈黙を破ったのは、今まで静観していたベンジャミンだった。
「セシリア様が時空魔法を使っていることを、他に知っている人はいるのですか?」
「誰にも言っていないので、いないと思います。そもそも、言ったところで信じてもらえないと思っていましたし……」
「時空魔法を発動する瞬間に人に触れたことはありませんか? だとしたら、知っている人がいる可能性もあります。本で読んだんですけど、触れた相手も、一緒に時空を遡るらしいので」
セシリアが、驚いたようにわずかに目を瞠った。
「そうなのですか……? それは、知らなかったです。うーん、でも誰にも触れていないと思います」
「そうですか」
「知っている人がいたら、何か問題でもあるのですか……?」
押し黙るデズモンドを見て、セシリアが戸惑うように視線を泳がせる。
重い沈黙を破ったのは、今まで静観していたベンジャミンだった。
「セシリア様が時空魔法を使っていることを、他に知っている人はいるのですか?」
「誰にも言っていないので、いないと思います。そもそも、言ったところで信じてもらえないと思っていましたし……」
「時空魔法を発動する瞬間に人に触れたことはありませんか? だとしたら、知っている人がいる可能性もあります。本で読んだんですけど、触れた相手も、一緒に時空を遡るらしいので」
セシリアが、驚いたようにわずかに目を瞠った。
「そうなのですか……? それは、知らなかったです。うーん、でも誰にも触れていないと思います」
「そうですか」
「知っている人がいたら、何か問題でもあるのですか……?」