10年目の純愛
私がお風呂から上がると、裕太はソファに座り、自分で作ったジンバックを飲みながらテレビを見て笑っていた。
はしゃぎ疲れた息子はもう眠っていた。
私はダイニングの椅子に腰かけ、炭酸水を飲んだ。
笑っている裕太に声をかける。
「忘年会、どうだった?」
「え?ああ。疲れたよ。ははははっ」
裕太は私に背を向けたまま、TVを観て笑っている。
「それって昨日の忘年会?それとも金曜日にあった忘年会?」
背中をじっと見つめながら尋ねた。
「・・・・・・」
裕太は何も言わない。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
重い沈黙が流れる。
「・・・携帯・・・見たのか?」
低い声で裕太が聞いた。
「見てないよ」
と答える。
裕太はこちらを振り返り、冷たい目で見ていた。
きっと信じていないだろう。
携帯を見たのは10年前だ。
あの時悟った。
夫の携帯の中には「幸せ」は入っていない
と。
はしゃぎ疲れた息子はもう眠っていた。
私はダイニングの椅子に腰かけ、炭酸水を飲んだ。
笑っている裕太に声をかける。
「忘年会、どうだった?」
「え?ああ。疲れたよ。ははははっ」
裕太は私に背を向けたまま、TVを観て笑っている。
「それって昨日の忘年会?それとも金曜日にあった忘年会?」
背中をじっと見つめながら尋ねた。
「・・・・・・」
裕太は何も言わない。
「・・・・・・」
「・・・・・・」
重い沈黙が流れる。
「・・・携帯・・・見たのか?」
低い声で裕太が聞いた。
「見てないよ」
と答える。
裕太はこちらを振り返り、冷たい目で見ていた。
きっと信じていないだろう。
携帯を見たのは10年前だ。
あの時悟った。
夫の携帯の中には「幸せ」は入っていない
と。