10年目の純愛

「10年前、あなたはレストランで食事をしていた・・・
夜景の綺麗な・・・夜景の見えるレストラン・・・。
朝帰りしたあなたから・・・あの人の香りがした・・・。

ベッドにいる私の横で・・・あなたは・・・携帯を見てて・・・ものすごく・・・優しい・・目を・・・してて・・・。

泣いてる私に気付いた・・・あなたは・・・私を・・・私を・・・抱きしめて・・・・そのまま眠って・・・私はずっと起きてて・・・」



「裕太は・・・『ナナ』って・・・言った・・・」



「寝ぼけてて・・・『ナナ』って・・・言いながら・・・私に・・・キスした・・・」





「・・・千夏・・・」
裕太は苦しそうに私の名前をつぶやいた・・・。



「そう・・・。私・・・あの日も・・・あの時も・・・
『千夏だよ』って言いながら・・・裕太に・・・」




「・・・もういい・・・」
「千夏！」
裕太は私の二の腕をつかんだ。

「もう、寝る」
「千夏！話そう」
裕太の手から逃れようと腕を引く。


「ごめん。おれ・・・」
「ずるい！裕太、ずるいよ！」

裕太は私を抱きしめた。

「離して・・・」
「いやだ」

裕太の胸に押し付けられて身動きが取れない。

「触らないで！！」