10年目の純愛
「あけましておめでとうございます」
「おめでとう」
裕太の事故から2年後。
大学生の息子はバイトをがあるからと帰省しなかったので、今年の正月は裕太と二人だ。二人で過ごす新年は20年ぶりでなんだか照れ臭い。
そして、今年は例の『10年後』に当たる年だ。
おせちを食べながらビールを飲んでいる裕太の横に座った。
「おいしい?」
「うん。千夏って料理上手だよな。特に伊達巻、うまい」
伊達巻を箸で持ち上げて言った。
「ごめん、それ、買ったやつだ」
「え!?そうなの?こっちの、グラタンもおいしいよ」
「いやいや。今年のおせちはデパートのそれです」
「・・・やるな、デパート」
「ははははは!」
「おめでとう」
裕太の事故から2年後。
大学生の息子はバイトをがあるからと帰省しなかったので、今年の正月は裕太と二人だ。二人で過ごす新年は20年ぶりでなんだか照れ臭い。
そして、今年は例の『10年後』に当たる年だ。
おせちを食べながらビールを飲んでいる裕太の横に座った。
「おいしい?」
「うん。千夏って料理上手だよな。特に伊達巻、うまい」
伊達巻を箸で持ち上げて言った。
「ごめん、それ、買ったやつだ」
「え!?そうなの?こっちの、グラタンもおいしいよ」
「いやいや。今年のおせちはデパートのそれです」
「・・・やるな、デパート」
「ははははは!」