The Very Mary X'mas 《『出逢いがしらに恋をして』 番外編その2》
「恋人への愛を歌で伝えられるなんて、素敵ですね」
 わたしがうっとりとしてそう言うと、ジュリオさんはちょっと眉を(ひそ)めて、

「もしかして、ひよりにはまだ足りない? 俺の愛情表現」などとのたまう。

 わたしはぶんぶんと首を振った。

「ううん。充分すぎるほど、いただいてます。いつも胸がいっぱいに満たされてます」

「そう。それは良かった」

 そう言って、じっと目を合わせてくる。
 そんなふうに真顔で見つめられると、いまだにドキドキしてしまう。

 もう、なんでこんなに素敵なんだろう、ジュリオさんって。

 変かもしれないけど……

 半年も経つのに、わたし、本当にこの人と付き合ってるんだよねと、いまだに信じられない気持ちになるときがある。
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