The Very Mary X'mas 《『出逢いがしらに恋をして』 番外編その2》
 と、あーだこーだ騒いでる沙織と大志に別れを告げ、エントランスを出ると、コート姿のジュリオさんが微笑みを浮かべながら手を振っている。

「すみません。お待たせしました」

 急いで駆け寄ると、彼は大きく手を広げて、人目をはばからずに熱烈にハグ。

「会いたかったよ、ひより」
「わ、ここじゃまずいですよ。まだ会社の人、大勢いるのに」
「だからだよ。ひよりは俺のもんだってアピールしとかないと、変な虫がついたら困るから」

 もう。いっつもこんな調子。
 ちょっと困る。

 けど、内心は……
 とっても嬉しい。


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