The Very Mary X'mas 《『出逢いがしらに恋をして』 番外編その2》
「うん。あと、実はこっちもなの」
 亜矢美さんは恥ずかしそうに、でも優しい手つきで自分のお腹をそっと撫でた。

「まだ、会社のみんなには言わないでね。年が明けたら発表しようと思ってるから」

「うわ、会社の亜矢美さんファンの嘆く姿が目に浮かぶ」

「なーにそれ。そんなことないって」 

「いえいえ。ぜったい大騒ぎになると思いますよ」

 ジュリオさんもカクテルのグラスを掲げて、祝福。

「おめでとう。あとで彼氏にも挨拶に行くよ」
「ありがとう。海太もジュリオに会いたがってた。今度、一度ゆっくり飲みたいって」
「ああ、いつでもいいよ、こっちは」

 じゃあ、と言って、亜矢美さんは楽屋のほうに消えていった。

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