彼の指定席


あまりにも早すぎる、オーダー伺いのタイミング。


でも、これでいいんだ。

彼はいちおうメニューを見るけれど、頼むものは決まっている。



「パスタランチ」



ほらね。



前に、別のランチを勧めてみたけれど。

彼は申し訳なさそうに断ったんだ。



『パスタランチでお願いします』



それ以来、あたしは別のランチを勧めたりしない。


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