彼の指定席


カウンターに置かれた、彼のグラス。

そろそろお冷を注ぎに行くころだ。



ピッチャー片手に、ふと思う。


……なにか話しかけてみようかな。



『パスタランチ、好きなんですねー』


あ。これって、嫌味に近いかな。




『あそこのゲーセン、あたしよく行くんですよー』


嘘はいけないな。あたし、一度も行ったことないし。


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