若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
美しく輝く金髪に吸い込まれそうなエメラルドグリーンの瞳、マリーは村一番、いや、近隣諸国でも、これほどの美貌を持った女性はいないだろう。礼拝やミサの度に、マリーの美しさを見に、毎回教会の席は満席になる。それもあって、マリーが年頃になった頃から、教会への寄付はお金ではなく、マリーの気を引くために、花や服などに変わり、お腹の足しになるような寄付はなくなっていった。そういうこともあり、教会の掲示板にマリーの結婚相手募集の張り紙を出すと、すぐさま多くの男たちが興味を示した。しかし、金貨5枚という条件を読むと、皆、蜘蛛の子を散らすように去って行った。その中で、金貨5枚を払うことが可能な男性、3人だけが名乗りを挙げた。

そして、今、私は目の前にいる3人の男性の中から、1人を選ばなければならない。

1人目は若い伯爵で、見た目は爽やかな男前である。わざわざ孤児に求婚しなくとも、どこぞのご令嬢を選びたい放題のはずなのだが、何故か、求婚してきた。

2人目は中年のこの村の村長で、ぴっちりと横分けされた髪はギトギトと光っており、口元にはちょび髭があり、常に髭を触っている。ぽっこりと膨らんだ腹が、さらに偉そうな態度を引き立てている。

3人目は、老人だ。布をそのまま被ったような服で、髪は真っ白な上、白く長いあごひげが特徴的で、杖をついており、一見すると仙人のような風貌をしている。
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