若い身空で老人と結婚することになりましたが実は呪いをかけられた王子様でした
神父さまとリリアンが心配そうにマリーと男達を見守っていた。

初見で選べと言われても…しかし、金貨5枚という大金と引き換えだ。3人の気が変わらないうちに決めなければならない。

私は3人に質問をした。

「結婚後、私はどういう生活を送ることになりますか?」

1人目の若い伯爵は、

「別邸があるので、マリーにはそこに住んでもらう。何不自由ない生活を約束しよう。ドレスも宝石も好きなだけ買えばいい。そして僕は毎日マリーに会うために通うよ。」

と、自信満々に堂々と答えた。

ん?別邸?通う?その言葉に私はすぐにピンときた。

「結婚相手ではなく、愛妾になるということでしょうか?」

とすぐさま、若い伯爵に問いかけた。
すると、若い伯爵はバツが悪そうに、

「僕の身分上、平民との結婚は難しくてね。でも君を愛することを誓うよ。」

と、言った。すると、2人目の村長が、

「はははっ!所詮お坊ちゃんには無理なんだよ。それに比べて私はちゃんと結婚するぞ!妻はお前一人だ!四六時中一緒にいてやるぞ!もちろんドレスも宝石も買ってやる!」

と、大きな声で言った。

ああ、なんてがさつで傲慢な人だろう・・・とマリーは思った。

「あなたはどうですか?」

と、3人目の老人にマリーが問いかけた。すると老人はゆっくりと口を開き、

「私は見ての通りこの年です。マリーさんの望むような結婚生活とは程遠いものになると思います。家は森の中にあります。薪を売って生活をしています。今回金貨5枚を使ってしまえば、贅沢な暮らしをさせてあげることは出来ません。それどころか、仕事の手伝いをしてもらうことになるでしょう。」

と答えた。すると、若い伯爵は、

「苦労が目に見えている。ここは賢明に判断された方がよいですよ。」

と言い、村長は鼻で笑いながら、

「こんな老いぼれと結婚なんて、介護させられるようなものだ。もう一人は愛妾だしな。マリー、私を選びなさい!」

と言った。マリーは二人の言動は気にせず、淡々と、

「皆様、最初に正直にお話してくださり、ありがとうございました。心が決まりました。」

と言った。
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