Love Sweet December甘い甘い12月の恋
そう言うと裕也は私の手を引き
歩きだした。


これでいいんだ。


よかったんだ。


私は拓斗を忘れるんだ。


心の中でひたすらに繰り返しながら
必死で涙を堪えた。



きっと手の震えは裕也に伝わっているのだろう?


裕也はさっきよりもきつく手を握りしめている。


一言も話をしないで
ただ──まっすぐ前だけを向いていた。
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