Love Sweet December甘い甘い12月の恋
「あいつじゃない…」


拓斗は棒読みでさくらへ答えた。


「そっか……」


なんとなく、さくらの安堵した声が
無性に腹が立った。


でも──あいつじゃない…


拓斗ははっきりと言っていた。



『アイツジャナイ──。』


なんだ…私の勘違いだったんだ。


あはは…いい気味じゃん。


拓斗にキスされて…手を繋がれて…
勝手に舞い上がってただけなんだ。


バカみたい…


「ねぇ?拓斗…
思い出に──一回だけキスして?
そうしたら諦めるから…」


その言葉を聞いた瞬間…
私は図書館を後にした。



拓斗とさくらのキスなんて見たくない。


きっと拓斗のキスは……
軽いものだったんだよ。


何でキスしたの?
私──こんなにも拓斗のこと好きになっちゃってるのに…


拓斗のバカ──
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