Love Sweet December甘い甘い12月の恋
「みぃ?」


真っ赤になって俯いていると
すっぽりと私を抱きかかえながら
裕也は優しく、耳元で囁く。


「みぃ?俺──
絶対大切にするから……
俺の事──好きになって?」



「……うん」


裕也の気持ちが…腕から痛いほど流れ込んできて
苦しくなった。


そっか……私が、拓斗に片思いをして苦しんでいるように、裕也も──苦しかったんだ…



大切にしよう……
裕也との恋を──


「裕也?──ありがとう…」


「俺…そんなにお礼言われるような事
やってないよ?」


「うんん……裕也がいてくれて
よかった…」


「兄貴の事…忘れられる?」


「えっ──?」


思いもよらぬ答えが返ってきて
一瞬戸惑ってしまった。


拓斗を忘れる?
裕也と付き合う事を選んでから
ずっと、心の中で唱えていたはずなのに…


他人に言われた事で、妙にリアルになってしまった。


「うん……忘れるよ?」
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