Love Sweet December甘い甘い12月の恋
──裕也?


裕也は寂しそうな目をしながら
私を眺める。


「兄貴は……もう関係ないでしょ?
俺の──彼女なんだから…」



「………」


何も──言えなかった。


確かにそうなんだ。


私は、拓斗に失恋をして
それを忘れる為に裕也と付き合ったんだから
彼の言ってることは
間違ってない。


だけど……まだ心の準備が出来てないよ。

まだ──拓斗に知られたくないんだよ。


「ったく──
ごめん…そんな顔すんなよ
わりぃ──俺…焦ってるんだ」


「えっ?」


「ずっと憧れてた先輩と付き合えて
それだけで嬉しいはずなのに…
俺──早く兄貴のこと忘れて欲しくて
早く俺のこと好きになってほしくて…」


「裕……也」


「ごめんな?
今日は違うところ行こうか?」


「ごめん…裕也──」


「それじゃぁ、ゲーセンでも行くか?
プリクラとか撮ろうぜ?」


「うん!!」


裕也の優しさが心の染みた。


彼を利用してしまっているのは私なのに…
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