しづき
容赦のない二重の甘さにおかしくなりそうだった。
こんなの、拷問。
他人の温度を知らない敏感な素肌を、涙が出るほど愛された。
「好き、愛してる。あいつの記憶なんかぼくが殺すから。こうして触って、直に、愛を塗り込んで」
降ってくるのは砂糖みたいな言葉。
…ううん、白の言葉は呪い。
優しさと狂気で私の逃げ道を無くしてくる、恐ろしいもの。
「ぼくでぜんぶを埋め尽くしてあげる」
いつか、リングがこの薬指に通される時
私はどうなっているんだろう。
頭の片隅でそんなことを考えながら、止むことのない甘美な拷問にひたすら悶え続けた。