しづき
「…白」
ゆっくりとソファへ向かう。
いなかったらどうしよう。
本当にひとりぼっちだったらどうしよう。
心細さが胸に広がっていく。
白がいないかもってだけで、こんなに不安になっている自分が恐ろしかった。
着実に依存している証拠。
前からずっとひとりぼっちだったのに。
それなのに…なんだこの有様は。
こんなに寂しいなんて。
白を求めているなんて──…
おそるおそるソファをのぞきこむ。
すると、小さな寝息が聞こえてきて
「白……」
子どものような寝顔がそこにあった。
ぐっすりと眠っている。
何も変わらない、いつも通りの美しさ。
だけもとても無垢で、年上とは思えないくらいの可愛らしさもあった。