しづき


「…白」



ゆっくりとソファへ向かう。



いなかったらどうしよう。

本当にひとりぼっちだったらどうしよう。



心細さが胸に広がっていく。



白がいないかもってだけで、こんなに不安になっている自分が恐ろしかった。



着実に依存している証拠。



前からずっとひとりぼっちだったのに。



それなのに…なんだこの有様は。



こんなに寂しいなんて。




白を求めているなんて──…






おそるおそるソファをのぞきこむ。



すると、小さな寝息が聞こえてきて



「白……」



子どものような寝顔がそこにあった。



ぐっすりと眠っている。



何も変わらない、いつも通りの美しさ。



だけもとても無垢で、年上とは思えないくらいの可愛らしさもあった。


< 125 / 312 >

この作品をシェア

pagetop