しづき


「なんでも…ですか?」

「うん。あ、逃げたいとかはナシね?」

「……」



まぁそうでしょうね。
と思いつつ、少し考える。



「え、と…じゃあ2ついいですか?」

「言ってごらん?」

「まずはその…白の好きな食べ物を教えてください」

「え、ぼくの?」



キョトンとした白の声が寝室に落ちる。
漫画みたいな反応でちょっとおもしろいと思った。



「私のカラダとか、そういうえっちなのはダメですよ?ちゃんとした白の好物ですからね」


「なんでよー。えー…うーん」



脳内ピンク男め、お見通しですからね。



白は残念そうに口を尖らせてから、少し悩むような間を開けて




「甘いもの…かな」




とつぶやいた。



「甘いものですか」

「うん。お菓子とか、ケーキとか。甘いもの全般好き」



なんだろう。
べつに斜め上の答えを求めていたわけじゃないけれど、ふんわりとした天使みたいな見た目に反さなすぎるというか。



おもわずふふっと笑ってしまう。


< 146 / 312 >

この作品をシェア

pagetop