しづき
「なんでも…ですか?」
「うん。あ、逃げたいとかはナシね?」
「……」
まぁそうでしょうね。
と思いつつ、少し考える。
「え、と…じゃあ2ついいですか?」
「言ってごらん?」
「まずはその…白の好きな食べ物を教えてください」
「え、ぼくの?」
キョトンとした白の声が寝室に落ちる。
漫画みたいな反応でちょっとおもしろいと思った。
「私のカラダとか、そういうえっちなのはダメですよ?ちゃんとした白の好物ですからね」
「なんでよー。えー…うーん」
脳内ピンク男め、お見通しですからね。
白は残念そうに口を尖らせてから、少し悩むような間を開けて
「甘いもの…かな」
とつぶやいた。
「甘いものですか」
「うん。お菓子とか、ケーキとか。甘いもの全般好き」
なんだろう。
べつに斜め上の答えを求めていたわけじゃないけれど、ふんわりとした天使みたいな見た目に反さなすぎるというか。
おもわずふふっと笑ってしまう。