しづき
白は顔もスタイルもかなり良い。
こちらに歩いてくる姿には、おもわず見とれてしまいそうになる。
私のことなんか好きになっていなかったら、この人絶対モテていたのに…なんてセンスの悪い…。
「しーづき」
「は、はいっ」
目の前に立つ白にハッとする。
「今日は一段とかわいーね」
舐めるように私を見て、その瞳をふにゃりと細めた。
そういう白はビビるほどかっこいい。
とは、調子に乗るから言ってあげない。
「いーい?今日一日、なにがあっても俺以外のやつとは話さない。目も合わせないこと。特に男とは絶対だめだからね」
「わかりました…」
そう。今日は、以前白が約束してくれた
"お詫び"として私の願いを叶えてくれる日。
私が2つ目にお願いした
『お菓子作りのために、材料を白と一緒に買いに行きたい』
というリクエストが実行される日なのだ。