しづき


当時、私のお願いを聞いた白はもちろん却下。



かなり嫌そうにしていたけど…



『白のためにお菓子を作りたいんです。自分で材料を選んで作って、白に喜んでほしくて…』



最大限のおねだりをしてみたところ、私には砂糖よりも甘い白は、渋々だが承諾してくれたのだ。



こうして晴れて、一日限定のお出かけができることになった。





「あーもう汐月、チョーカー付け忘れてる」



白が私のうしろへまわり、私の首に黒いチョーカーをパチンと付けた。



外へ出る条件として、このGPS搭載のチョーカーを付けることを命ぜられた。



なんだが首輪みたいでこんなところでも白の独占欲が光っている。



「ふふ、かわいい。似合ってるよ」



白は満足そうに笑い、私のうなじにキスを落とした。



ピリッとした痛みが刻まれる。



「ぼくが汐月のこと守るから。ぜったい離れないでね」


「はい」


「いーこだね。じゃ、行こっか」


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