しづき
「白、やめて…なんか、や」
「かわいーね…。
気持ちいいでしょ、触られるのって」
つぅと指で背筋をなぞられる。
恐怖とはまた違う、淡い快感からくる震えが走った。
「ぜんぶ触ったらどーなるのかな。
汐月がかわいくて、死ぬまで止まらないかもね」
「へ、へんたい…」
「いーよへんたいで。
ぼくはいつだって汐月を求めてるんだから」
すっと、キャミソールから手が抜かれた。
白の体温の余韻に名残惜しいと思っている自分がいやになる。
こんなの…思うツボ。
「あーあ、汐月にさらにハマッちゃった。
1ヶ月で帰してあげられなくなるかも」
白は私の髪を梳くと、優しく耳にかける。
その瞳の色は深くて呑み込まれそうだった。