しづき


着替えてリビングへ行き、朝ごはんを食べた。



ツナと卵のサンドイッチ。
そしてあっさりとしたコンソメスープ。



黙々と食べる私を白はとても嬉しそうに眺めている。



「汐月がぼくの作ったご飯を食べてる…。
夢じゃないんだね」



うっとりと言う白。



そんな彼に違和感を覚えた。



白のぶんの朝ごはんがないのだ。



いつも欠かさず一緒に食べていたというのに。



「白、朝ごはん食べたんですか?」


「うん。先にいただいたよ」



ふんわり笑ってそう答えた。



なにかおかしい。



直感で思ったけど、これ以上深入りして毒されてはいけないと思い、なにも訊かないことにした。


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