しづき


食事のあとだった。



「汐月にプレゼントがあるんだ」



ソファでわたしにくっついていた白が楽しげに言った。



「ふふふ、じゃーん!」






とりだされたのは、首輪だった。

その瞬間イヤな予感をおぼえる。






「白…それ」


「うん。汐月につけよーと思って」



白の目が私をとらえる前に腰を上げていた。



逃げろと全身が言っている。



「汐月、逃げないで」


「いやっ…」



腕をつかまれる。





「逃がさない」





低い声だった。



雰囲気が変わった。


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