しづき
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たどり着いたのは、広い空間だった。
ただ、広さがあるにもかかわらず、あるものといえば真ん中に置かれる大きなベッドのみ。
ゾッとするほど、無機質な世界だった。
「白…」
「………」
白はなにも反応してくれない。無表情。
階段を降りる最中だって、どれだけ名前を呼んでも言葉を返してはくれなかった。
普段なら私を無視するなど絶対にしないことを知っているからこそ、恐ろしくてたまらなかった。
そっとベッドの上におろされる。
やわらかなシーツは私を歓迎しているようだった。
「白…ねぇ…」
「……」
白はベッドの下に膝をつき、なにかを探っている様子。
すると
──ジャラン
金属音が聞こえてきて
耳が、脳が
その音をしっかりと覚えていた。