しづき
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純白のベッドの上でひたすら横たわる私。
天井の灯りをぼうっと見つめながら、呼吸だけを繰り返していた。
この部屋はとても特殊。
お風呂もトイレもある。
必要な水分がとれるように、飲み物が入った小さい冷蔵庫があったり。
とにかく生活するうえで最低限のものはきちんと用意されていた。
私とベッドを繋ぐ鎖は、部屋のどこへ行くにも支障がないように長さが計算されていた。
綿密な思惑のうかがえる空間に、抵抗する気も逃げる気もすでに削がれている。
白は初めから私をここへ連れてくる気だったのか。
今までの献身は、私からの信頼を勝ち取り、その隙を突き、こうして完全なる隔絶された世界を作りあげるための作戦だったのか。
あのぬるま湯のような日々とは違う、本気の監禁。
もはやなにも信じられなくなっていた。
すると
「汐月、ご飯持ってきたよ」
白が料理皿をお盆に乗せて部屋に入ってきた。
いつものピンクエプロン。
この部屋とは正反対の生活感漂う姿は、異質でしかなかった。
「こっちおいで」
テーブルにお盆を置くと、優しい声で私を呼ぶ。
お腹は空いている。
ここに連れられた時から何も食べたくなくて、ずっと食事を拒否していた。
もはや断食状態。
「……」
もう、いいや。
考えるのに疲れてしまった。
毒だろうが薬だろうが、食事の中になにが入っていようとかまわない。
どうなってもいいと心が諦めてしまっていた。