しづき


「ぼくさー汐月のことずっと見てたけど、
お風呂とかトイレとか、そーいうデリケートな場面は見ないでおいたんだよね」


「それが一般常識というものですけどね…。ていうかその気遣い、他にまわせなかったんですか…」


「だから汐月の体ちゃんと見るのはじめて」


「おそろしいくらい何も聞いていない」



するり
お腹を撫でられる。



「綺麗だね…汐月のからだ。
予想はしてたけど驚いた。
食べたらすごく甘そう…」



喜んでいいのか分からない。



言っていることは紛うことなきヘンタイだから。



「まずいなー。汐月のこと抱くってなったら、ほんとに止まらないかも。汐月が気絶しても足りなそう」


「…抱かなければいいのでは」


「やだ、抱かせていただきます」



潤いを持ったくちびるが何度もうなじに吸い付いてきて



内ももへと手のひらが滑り込んでくる。



「やっ…欲情しないって言いました、よね」


「欲情を抑えるためにキスしてんの。
ちょっと黙ってて」


「じゃあこの手はなんですか!」


「汐月が濡れてるか確認しよーかなって」



この人はなにを言ってるの?



「お湯に浸かっているんですから
そりゃ濡れますよ」


「汐月の口からそーゆーこと聞くの
コーフンするね」


「???」



まったく会話が噛み合っていない。



困惑している私を置いて、白は何度も何度もからだに触れてはキスをしてくる。



解放される頃には私の息はあがっていた。


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