しづき


「どうしよう…救急箱はきっとここにはないし…」



1階まで探しに行く?



いや、足枷があってはどうにもならない。



悩んだ挙句、仕方なくタオルを当てて止血することにした。



痛々しい傷口を見るのはとても怖かったけど、そうも言っていられない。



「…ごめんね」



寝ている白に謝りながら、必死に処置をしていった。



ようやく血が止まり、傷の汚れも大体拭き取ったところで、私の精神が限界を迎えてしまった。



短時間にいろんなことが重なりすぎて、強くもないメンタルがずいぶんと消費された。



「し、ろ…」



やれることはやったし…大丈夫…だよね。



死なないよね…白。



いくぶんか穏やかになった白の顔に手を添える。





「死んじゃいやだよ…しろ」




つぶやいたのを最後に
私の意識は沈んでいった。






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