しづき



それから制服に着替えて
白に渡されたいちごミルクパンを食べた。



この味もなんだか懐かしい。



変わらず私の好きな味をしている。



「…やっぱりおいしい」


「おいしーよねそれ。
汐月が好きだから前に1回食べてみたけど
なかなかいける」


「ふふ、分かってるじゃないですか。
このほんのりとした甘さがいいんですよね」


「まー甘党のぼくにはもっと甘いのが
好みなんだけど」



白は、さらりと私の唇を奪った。



「やっぱりぼくには
この甘さがいちばん好み」



味わうように自分の舌を舐める。



な、なんか…白が甘い。

とんでもなく、かなり、甘い。



私はどきどきしながらひたすらパンを食べた。


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