しづき








ふわりとした甘い香りを感じて目を覚ます。




「………」




視界に飛び込んでくる明るい部屋。



そして壁一面に私の写真。



あらためて見てゾクッとする。



昨晩はすぐに電気を消して寝ちゃったから気にするひまもなかったけど。



こんなに鮮明に見てしまうと、やっぱり気持ち悪い。



よくこんな部屋で眠れたなぁ自分。




しみじみ思いながらゆっくりと体を起こせば、枕元に着替えらしき服が畳んであった。


これを着ろってこと?




その時、部屋の扉がガチャリと開かれた。


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