しづき



ヒラヒラと、真っ白なフレアワンピース。



シンプルだけど可愛くて、私の好みピッタリだった。




「どーかなこれ。なるべく汐月の好みに合わせて選んでみたんだけど」




ちらりと私を横目でうかがう男。




「か…かわいい」




ほとんど無意識にこぼれた声。




「ほんと?よかったー。汐月はホワイト系とワンピース系着るのが多かったでしょ?だからこーゆーの好きだと思ったんだよね」




私の言葉が相当うれしかったのか、ふにゃりと綻ぶ綺麗な顔。



どうして服の好みを知っているのかは聞かないでおこう。



もう何を聞いても、どうせ規格外の返答がくることは分かってるんだから。



わざわざ自ら飛び込んでいく必要はない。


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