しづき



「ぼくの選んだ服に、ぼくのしるし。こんなに満たされたの初めて…」


「……」


「ずっと、汐月がぼくの手に入ることはなかったから、嬉しい。…もう死んでも逃がさない」




きつく抱きしめられる。



愛おしげな息遣いとともに力が加えられて、少し苦しいくらい。





不安が波紋のように広がっていく。


私、帰れるん…だよね?


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