しづき


それでもききわけの悪い白は、ブンブンと首を横に振った。



「やだやだ、汐月に触れないとぼく死んじゃう。生殺しだよ」


「昨日死ぬほど触ったじゃないですか」


「死ぬほど?あれが?あんなのだってぼく全然足りないのに。汐月となら永遠に繋がっていられるのに…」


「それはあなたが異常なんです」



近づいてこようとする白から距離を取って、ベッドの端に座り直した。



「汐月……」



泣きそうな声を出す白。



絆されてはいけない。



「…お風呂、借りますね」


「汐月、まって…」



悲しげな白の声を遮るように寝室の扉を閉めた。


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