しづき
「汐月…ごめんね」
「……」
「ぼく汐月のことになると舞い上がっちゃって止まんなくなる」
「……」
「大好きだからずっと触れていたいし、離したくないって思う」
「……」
「でもそれ以上に汐月に嫌われたくない」
語尾がかすかに小さくなった。
「今日一日ぼく我慢するから。だから、嫌いにならないで…汐月」
お願い、と。弱りきったトーン。
どうやら私が思っている以上に反省しているらしい。
だってほら、また胸の奥が痛い。
唇を噛んでなにも言えないでいると、白はもう一度だけ
「ごめんなさい…」
そう言い、静かに去っていった。