しづき
うっとりと頬を伝うどこか慰めるような指の動きに、眠くなってくる。
寝てしまおうか…
瞼があと少しで落ちるという時だった。
「かわいい…」
ぼそっと、そう聞こえて。
突如背にまわされた二本の腕に
一瞬でかき抱かれてしまった。
「…ちょっ、と!?」
ハッと覚醒した。
さすがにいけない。
この人はあくまで知らない人なのに。
「やめて、くださいっ」
「…いやかも」
いやかも?
いやって言ったのこの人?