しづき




「よーし決めた」


「?」



白が声を上げた。



それは、さっきまでの重たい空気など無かったような明るいトーン。



「汐月、しりとりしよ」


「…しりとし、ですか」



ソファから転げそうになる。



さっきの今でなぜしりとり。



「なんかぼく、汐月こどもっぽいことしたい」


「はぁ…そうですか」


「ほら、汐月とぼくってすぐ大人なコト始まっちゃうし」


「……」


「こどもに戻ってしりとりでもやってみよーよ」



本当になぜいきなり…



疑問しか浮かばなかったけど、反抗してもさっきの二の舞になりそうだし、うなずくのが最善だろう。


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