あたしのだから!
サヨナラが出来ない
‐正看の学校を卒業し、見事、正看護師になっても、あたしは貴文(たかふみ)と身体の関係を続けていた…。

「もう中沢(なかざわ)君と会うの、止めたら?」

そう言ったのは、高校を卒業しても連絡を取っていた椿季(つばき)。

椿季は結局、あの普通科の彼とヨリを戻した。

「…自分が幸せだからって」

「じゃあ聞くけど、ななは中沢君の事、好きなの…?」

「…好き、じゃない」

正直に答える。

「好きじゃないのに、そういう事をし続けるのは違うと思う」

「わかったような口聞かないでよ!」

思わずあたしは叫んでしまった。

「な…なな?」

椿季は慌てている。
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