あたしのだから!
あれからあたしたちは、毎年、お寺に行って供養している。

「奥さんはあたしと会う事、なんとも言わない?」

『言わせない。
言ったら離婚する』

キッパリと貴文は言った。

『俺、ななも幸も大事だから』

「いやいや、奥さんは?」

『大事だよ?
でも、……なんでもない』

「変なの」

あたしは笑う。


それからしばらくして、

『なな、久しぶりに会えない?』

貴文から連絡があった。

「いつ?」

『明日、実家に帰るから』

「急だねぇ💦
何、ケンカ?」

『…会ったら話す』

貴文はそう言って、電話を切った。
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