あたしのだから!
「その彼氏止めて俺にしない?」

冗談とも本気とも取れる言葉を放つ。

「え…、いや~…、あたしは彼氏一途だから」

「そう…だよね。
ごめん、忘れて!」

孝文は笑った。


‐数日後。

「ごめん、同じ高校で好きな人が出来たから別れよ」

たっちゃんに振られた。

「…わかった」

たっちゃんがいた時は、泣かなかったけど、いなくなってからあたしは泣いた。

この話を誰かに聞いてほしくて、

『もしもし?』

孝文に電話した。

「彼氏に振られた…。
同じ高校で好きな人が出来たんだって…。
そんな事言われたら何も言えないよ」

『菜々美、泣いてる…?』

泣いているって悟られたくなかったけど、すぐに孝文にバレてしまう。
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